〈自然農的農業のすすめ〉その7〜脱穀〜

秋から冬へ。セイタカアワダチソウの勢いも止まっています

悪天候や息子の風邪など色々と重なり1ヶ月お休みしていた田畑のお手伝い。
快晴のなか、久しぶりに加藤さんの畑をお手伝いしてきました。
本日のお題は 脱穀 です。


久しぶりに畑に来るとだいぶ風景が変わっています。大豆や小豆は既に刈り取られて天日干しされています。夏の間は生い茂っていた雑草もだんだんと勢いを緩めています。
加藤さん到着で早速作業開始です。


天日干しされた大豆
寸角と竹で床を上げて乾かします

足踏み脱穀機を天日干ししている大豆の横に移動させて、脱穀した豆が飛び散らないように養生に使用していたブルーシートで脱穀機に幌を作り、脱穀開始です。



加藤さんが見本を見せてくれ、その通りにやろうと思うのですが、色々コツがあります。脱穀する車輪の様な回転部があるのですが、足踏みペダルを踏み込むタイミングを誤ると逆回転します。手で車輪を進行方向に回すとペダルも上下するので、ペダルが頂点に達して下がるタイミングで踏み込むと失敗しません。ある程度回転数が高い方が脱穀はしやすいです。枝をしっかり持っていないと簡単に脱穀機の車輪に持って行かれます。特に枝の細い方を持つと絡みやすくなるので、枝は太い方を持ちます。

 あまり執拗に脱穀機に当てると莢まで飛んでいくと言われるのですが、その加減も最初は難しいです。脱穀機を通しても弾けてない莢があり、手で開いてみると少し成長しきれてない豆であったり少し傷んでいたりすると分かりました。健康な豆と莢は、きちんと乾燥していれば簡単に弾けるのだと理解できました。

脱穀後の大豆

 お昼休みはいつもの様に珈琲を淹れようと思ったのですが、最近物忘れが激しいひげ店主はアウトドアのクッキングストーブのガス缶を忘れてきてしまい、諦めかけていたのですが、加藤さんが石を集めてきて、立ち枯れした雑草の枝や細い角材、何かの台紙に使われていた紙などを集めてきていただいたので、かまどを作って直火で珈琲を淹れました。やはり直火で沸騰させたお湯は冷めにくく、美味しい珈琲が飲めました。

唐箕 上から脱穀後の大豆を入れます。手前の穴から軽い枝や葉を飛ばします

左下にある穴が2番目の穴。右隣が3番目の穴

 昼からは脱穀した大豆を唐箕(とうみ)で選別していきます。唐箕は3種類に選別できます。ハンドルを回すと中の羽根が回り風を送り、一番大きな穴から風で飛ばされる葉っぱや細い枝などが出てきます。2番目の穴からは少し軽めの重いものがでてきます。3番目の穴からは重いもの、今回の場合は大豆が出てきます。ただし、先述した様に成長が悪い豆は莢から弾けていないので、食用には使えない豆も多々混じります。最終的には手仕事でひとつひとつ選別していく必要があるのです。これは大変な仕事だろうなと感じました。畑で行うのは唐箕でおおよその選別までです。いざ作業をすると、前段階の脱穀があまりに下手で(私ですw)、枝や莢を不必要にいっぱい混ぜてしまっているので、唐箕の扇風機部分へ落とす溝に枝が詰まり、なかなか作業が進みません。もう少しうまく脱穀できていたら唐箕のハンドルを回す時間も短縮できるのでしょうが、枝が邪魔して一回の工程に時間がかかってしまうのでハンドルを回す時間が長くなります。短時間なら回していても気にならないのですが長く回すと腕が辛くなります。2番目の穴から出てきた選別物をさらにもう一度唐箕に入れて3番目の穴から出てきたものを袋にためていきます。本当に気が遠くなる作業の積み重ねで大豆が消費者が使える「商品」になるのだな、と思いました。

水くぐり ここから更に選別される


唐箕での選別が終わり、まだ少し時間があったので枝についた莢に入った状態の小豆を収穫用の袋にしごいて入れていく作業をお手伝いです。この作業は天日干しされた小豆をしごいて袋に入れるだけなので比較的簡単です。世間話する余裕が生まれたので加藤さんと映画の話や自主保育の話などお互いの気になる世間話をしながら作業終了です。


干された小豆の莢を袋にしごいて入れていきます


 お米の選別と大豆の選別は特に時間がかかるそうです。都会の子供は切り身で魚が泳いでると思っているなど言いますが、私たち消費者も米や大豆は収穫したら「商品」になっていると思っているかもしれません。実際に作業してみるとそこには何工程にもわたった仕事がされている事に気がつきます。食に対する意識は、まずそうやって今までお金で解決していた大変な仕事に触れる事で、お金には変えられない時間、手間を惜しみなくかけて大切に育てている生産者さんがおられる事に気がつく事なのかもしれません。
消費行動は選挙と同じなどと言いますが、野菜や米など、毎日いただくからこそ大切に考え行動に移していければと思います。

ゆとりでは毎週木曜日に加藤さん主宰のねっこ農園さんにお手伝いに行ってます。
農に興味を持たれる方おられましたら是非一緒にねっこ農園さんのお手伝いに行きませんか?基本的に毎週木曜日(雨天中止)朝9時に大津市と高島市の境の鵜川にある田畑に集合します。お昼ご飯は各自ご用意ください。体を動かした後の珈琲は美味しいですよ。
自然農法を取り入れた田畑では農薬は使用しないので小さなお子様も安全に遊べます。
交通手段などの相談いたしますのでお気軽にメールyutori.shiga@gmail.comまでメールください。